おくりびと ★★★★★

starman21122008-11-25

最近観て良かった映画の第2弾は『おくりびと』。 前回邦画を観たのがいつだったか思い出せないくらい、映画館だけでなくビデオやDVDを含めてもかなり長い間観ていなかったと思う。 当初、この映画のTVCMを観た時はなんだかつまらなそうで全く興味がなかったのだが、TVかラジオで誰かがこの映画の解説を聴いて興味を惹かれ観るキッカケとなった。 また今年父が亡くなった時は、悲しんでいる時間もなく葬式や告別式等の手配で葬儀屋との打ち合わせに振り回されたその無常さが記憶に新しかったので、こうした業者側の視点はどのようなものなのか少しでも垣間見たかったのでした。
葬儀屋1つとっても業者によってかなりの差があるようだが(今回色んな人から聞いた話によると結構酷い業者も多いそうだ)、その業界に知人でもいない限り、その良し悪しを見分ける事なんて現実的でない。 もちろんプロフェッショナルな心意気を持った良い業者にやってもらいたいものだが、通常のケースでは限られた選択肢しかなく、業者の良し悪しなんか判断する材料も時間もないだろう。 こればかりはもう運でしかないというのが現実なのだろう。 
この映画は死を描いているにもかかわらず笑い(ユーモア)を織り交ぜた内容で、感情を左右される事なく淡々と仕事をこなす納棺師のプロフェッショナルぶりとその心意気が伝わりました。 モノを食べるシーンがたくさん出てくるのだが、そこに『生』が強く表現されていて、同時に『死』という現実も考えさせられました。 また、元木が死体を処理して帰宅した後に、広末の体を求めながらその肉体の温かさに『生』を見出す(確認する)シーンがとても印象的でした。
この映画もオススメです。★★★★★